重度肝硬変・肝がん患者への新しい医療費助成制度が12月からはじまります。

<更新情報>
12月からの助成制度実施にむけて、厚生労働省がチラシを作成しました。
肝炎情報センターのサイトからご覧になれます:http://www.kanen.ncgm.go.jp/news/2018/pdf/20180813.pdf

 昨年12月末に政府は平成30年度予算案を確定し、現在、国会で議論されています。その中で、私たちがこの数年間の運動の柱としてきた全国的な「肝硬変・肝がん医療費助成制度」が新設される見通しとなりました。

 重症の肝炎患者にたいする医療費助成制度の創設は、患者団体のみなさんが実現にむけて長年とりくんできた課題でした。私たち全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団も、国と「基本合意」をむすび、医療費助成の充実など「恒久対策」について定期協議の場ができていらい、この問題に力をいれてとりくんできました。
 昨年7月の厚生労働大臣との定期協議において、塩崎厚労大臣(当時)から実現にむけた言及があり、8月の厚生労働省の概算要求には、肝がんの入院医療費を対象とする制度の創設が盛り込まれました。しかし、その時点では、肝硬変患者は対象となっていませんでした。私たち全国B型肝炎訴訟原告団や日本肝臓病患者団体協議会、薬害肝炎全国原告団等の患者団体は、「肝硬変も助成対象とする制度実現」を目標に、その後も運動を強めてきました。

 11月16日には肝炎サポート国民大集会を約1300人の参加で成功させ、200名近い与野党の国会議員の皆様からは「ウイルス性肝硬変・肝がん患者へのあらたな支援を支持する国会議員メッセージ」をいただいて厚労省へ提出しました。今回の予算案は、私たちのこうした願いを受け止めるかたちで、政治・行政の側が概算要求時点での制度枠組みをさらに拡大させたものです。

 新しい制度のスタートは今年12月ころとなる予定ですが、患者さんが使えるようになるためには都道府県ごとに制度を開始することが必要です。北海道・長野県など、すでに独自の制度があった県では、その制度を守り拡充することも大切になります。また、助成対象のさらなる拡充などの課題が残されています。よりよい制度実現のため、引き続き全国のB型・C型肝炎患者の力を合わせていきましょう!

全国B型肝炎訴訟東京弁護団副団長 弁護士 小沢年樹

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重度肝硬変・肝がん患者の方に対する新しい制度案のあらまし

 厚労省が明らかにしている新しい助成制度案(肝がん研究の推進及び肝がん患者等への支援)の主な内容を紹介します(今年1月時点。国会審議や各県との調整などで変更になる場合があります)。

1)誰が制度の対象者か
 制度の対象者は、重篤な肝硬変・肝がんの患者で、一定所得以下(年収約370万円以下)の人。感染原因が国にあるかどうか(B肝・薬害の給付金の対象かどうか)は問われません。患者が助成を受けるためには、肝がん・肝硬変の研究に協力することが必要です(匿名で治療情報を提供)。制度の指定を受けた医療機関から調査(肝がんの研究)の個人票をもらって県に助成を申請します。

2)いつ制度の対象か
1年以内に、入院治療のために高額療養費制度の対象となった月が4か月をこえるとき、4か月目の自己負担額から助成制度の対象になります(下の図を参照)。

重度肝硬変・肝がん医療費助成

3)自己負担が月1万円まで軽減されます
 入院治療費の自己負担額が、通常の高額療養費制度の4万4400円(非課税世帯は2万4600円=70歳未満の場合)ではなく、月1万円まで軽減されます。

 以上は、あくまでも現在の案のあらましの紹介です。具体化が進んだ段階で、今後も適切なかたちでご紹介していきたいと思います。