12月11日、福岡地裁でB型肝炎訴訟原告勝訴判決

標記の件について、現地福岡とともに東京でも記者会見を行いました。
全国原告団・弁護団の声明は下記の通りです。

2017(平成29)年12月11日
全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団

声 明

1 本日、福岡地方裁判所第2民事部(片山昭人裁判長)は、集団予防接種の際の注射器の回し打ちによって、B型肝炎に感染させられた被害者のうち、慢性肝炎が再発した原告2名に対し、被告国が慢性肝炎の最初の発症時点を起算点として除斥(民法724条後段)を適用すべきであるなどとして争っていた事案について判決を言い渡した。

2 判決は、以下の通り、被告国の除斥適用の主張を退けた上で、原告らの請求全部を認容した。
 判決は、
「最初の慢性肝炎発症時において、その後のHBe抗原陰性慢性肝炎の発症による損害をも請求することは客観的に不可能であったというべきである。したがって、原告らは、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症時に、HBe抗原陽性慢性肝炎による損害とは質的に異なる新たな損害を被ったものというべきであり、上記発症時に、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症に係る損害賠償請求権が成立したものと解される。
そうすると、原告らのHBe抗原陰性慢性肝炎発症による損害賠償請求権に係る除斥期間の起算点はHBe抗原陰性慢性肝炎の発症時となるところ、原告らは上記発症から20年以内に本件訴訟を提起したものであるから除斥期間は経過していない。」
と認めた。

3 かかる慢性肝炎の再発時を除斥期間の起算点とすべきであるとする判決は、全国で初めての判決であり、同様の再発の慢性肝炎原告を含め、すべての除斥対象者に対して救済の道を広げるものである。
集団予防接種の際の注射器の回し打ちによってB型肝炎に感染させられ、何の落ち度もないのに、損害発生から20年間という長期に渡り被害を受けてきた被害者らに対し、時の経過のみをもって国の責任を免じるのは極めて不合理である。
国は控訴せずに本件判決を受け入れて、本件原告らはもちろん、再発問題に限らず、すべての除斥被害者の救済に向けて、直ちに我々との協議を開始するべきである。

4 我々は、不合理な除斥の壁に立ち向かう被害者全員の救済を求めて、全国の原告団、弁護団、支援者と一丸となって闘い続ける決意である。    

以 上