12月17日、第1回全国肝炎サミットが開催されました
12月17日、全国の都道府県の肝炎対策協議会の患者委員が集まり、各地の肝炎対策を進めるために話し合う「第1回全国肝炎サミット」が都内で開かれました。26都道府県の肝炎対策協議会の患者委員28人が、各地の経験や苦労も紹介しながら、意見交換を行いました。
肝炎対策に患者・国民の視点を反映させる25都道府県の患者委員が交流
行政の肝炎対策については、医療関係者だけでなく、肝臓病の患者団体の長年の要望と運動、働きかけがあり、平成22年に肝炎対策基本法が施行されています。薬害肝炎原告団・弁護団(C型肝炎の患者さんたち)とともに、私たちB型肝炎原告団・弁護団も、この運動に参加しました。
そうして作られた基本法では、B型肝炎、C型肝炎の感染拡大における国の責任を認め、「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」(「指針」)を定めています。この「指針」は、患者委員も参加して見直しなども行っているもので、肝炎対策は患者を含めた国民の視点で進めること、国や地方公共団体が肝炎対策を実施するときは具体的な指標を設定し、定期的に達成状況を把握して施策を見直すこと、など、大事な視点が定められています。
厚生労働省の肝炎対策推進室長も参加
各都道府県には、肝炎対策を進めるための肝炎対策協議会が設置されています。その協議会で活躍する患者委員は、行政の肝炎対策に「指針」や患者・国民の視点をいかすための貴重な役割を担っています。全国のB型肝炎訴訟原告団のメンバーにも、各県や国の協議会の委員を務めている人が少なくありません。
このような患者委員の活動を支えるため、日本肝臓病患者団体協議会では、各地の患者委員を集めた肝炎サミットの開催を国に呼びかけてきました。そして、今回、日本肝臓病患者団体協議会、薬害肝炎原告団・弁護団、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団を中心とする全国肝炎フォーラムの主催ではありますが、第1回の肝炎サミットを開くことができました。この第1回全国肝炎サミットには、厚生労働省からも肝炎対策推進室長の小野俊樹様が参加され、挨拶をされるとともに、会議での各患者委員の報告や発言、そして厚生労働省への要望などに耳を傾けました。また、患者委員のみなさんからの様々な質問にも答えてくださいました。
各地の肝炎対策に取り組む多くのご苦労と熱意にあふれた会合
開会の挨拶の中で、日本肝臓病患者団体協議会の代表理事の山本宗男さんは、ウイルス性肝臓病対策として、次のようなテーマを問題提起されました。数値目標では死亡率の低減だけでなく、罹患率の把握と減少を加えること。肝臓病治療が大変なスピードで変化している現在だけに、専門的な知識を持った医師による治療体制を各地に構築すること。ウイルス検査を普及すること。ウイルスの陽性者に対する精密検査、フォローを充実させること。
サミットでは、これらもふまえ、肝炎医療コーディネーターの役割、受検促進とフォローアップ充実への工夫、各地拠点病院の実情と課題など、様々な課題について、参加した患者委員が熱心に意見を交わしました。それぞれの発言に対しては質問も多く、ご自分の地域の肝炎対策をなんとか進めたいという熱意にあふれる会合となりました。また、各委員のみなさんのご苦労も大変印象に残りました。
患者委員のみなさんの貴重な役割が改めて浮き彫りに
全国には、わずかですが、肝炎対策協議会に、まだ患者委員のいないところもあります。しかし、今回のサミットでも、患者委員のみなさんの貴重な役割が改めて明らかになったと思います。
私たち、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団では、個別の被害者の救済とともに、すべてのウイルス性肝炎患者のみなさんが安心して医療を受けて生活できる体制の整備を目標に掲げてきました。これからも、患者委員のみなさんも支えながら、患者のみなさんとともに、行政の肝炎対策の改善などに頑張っていきたいと思います。
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