新たな医療費助成制度創設について(3団体の共同声明)

(速報)昨日、厚生労働省が平成30年度予算案概算要求の概要を公表し、肝がん患者に対する新しい助成制度の創設を表明したことについて、日本肝臓病患者団体協議会、薬害肝炎全国原告団・弁護団、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団の3団体は、以下のような声明を発表して記者会見しました。
3団体では、肝がん・肝硬変患者に対する医療費助成の創設などを求め、国会請願の署名活動に協力してとりくみ、昨年には、その請願署名が衆参両院で採択されていました。

平成30年度肝炎対策予算概算要求におけるあらたな医療費助成制度創設について

2017年8月29日
日本肝臓病患者団体協議会
薬害肝炎全国原告団・弁護団
全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団

昨日、厚生労働省は平成30年度肝炎対策予算概算要求の概要を公表したが、同概算要求の「肝疾患治療の促進」において、従来からの抗ウイルス療法に対する医療費助成制度に加えて、「肝がん治療研究及び肝がん患者への支援のための仕組みの構築」として、肝がん患者の医療費を助成するあらたな制度の創設がもりこまれた。
これは、私たち患者団体が長年にわたり粘り強く求めてきた肝硬変・肝がん患者への医療費助成実現の声に応え、一定の重篤な肝がん患者の医療費負担を軽減する制度である。
私たちはこの概算要求が予算案として結実し、来年度からあらたな助成制度が確実にスタートするよう、引き続き取り組みを強めるものである。

他方で私たちは、今回の制度創設案には未だ大きな課題が残されていることを指摘せざるを得ない。
すなわち、重度の肝硬変患者については、昨年4月に障害認定基準が緩和され、自治体による医療費助成を受けうる患者が増大するなど、一定の患者支援制度が充実してきたところだが、こうした支援制度の対象から外れる重症患者も相当数存在する。
しかしながら今回の制度創設案では、肝硬変患者が対象とされておらず、また、肝がん患者についても、入院治療月数4か月以上との助成要件は極めて限定的なものである。
広範かつ包括的な「肝硬変・肝がん患者への医療費助成実現」を求めてきた私たちとしては、より幅広い肝硬変・肝がん患者を対象とする制度の創設を求めて、あらゆる関係者の理解と協力を得ながら、今後も全力を傾注していく決意を表明する。

以上