重度肝硬変・肝がん患者への新しい医療費助成制度が2018年12月から始まりました。

<更新情報>
新しい医療費助成制度の普及にむけて、原告団でチラシを作成しました。ご活用いただければ幸いです。
医療機関などでご活用を希望される場合、無料でお分けしています。ご連絡いただければ幸いです(窓口:東京弁護団事務局03-3352-7333):
肝がん重度肝硬変入院リーフレット全国版(PDFファイル・A4版両面印刷)
肝がん重度肝硬変入院リーフレット東京都版(PDFファイル・A4版両面印刷)
(※予告なくリーフレットの内容を改良・修正することがあります。最新のリーフレットについては上記窓口までお問い合わせ下さい)

本制度に関する各都道府県ホームページへのリンクを作成しました。相談先なども掲載されています:
北海道 保健福祉部 健康安全局 地域保健課 特定疾患グループ
青森県 健康福祉部 がん・生活習慣病対策課 がん対策推進グループ
岩手県 保健福祉部 医療政策室 感染症担当
宮城県 疾病・感染症対策室 感染症対策班
秋田県 健康福祉部保健・疾病対策課
山形県 健康福祉企画課薬務・感染症対策室
福島県 保健福祉部健康増進課
茨城県 疾病対策課
栃木県 保健福祉部 健康増進課 感染症・新型インフルエンザ対策担当
群馬県 健康福祉部 保健予防課
埼玉県 埼玉県保健医療部疾病対策課
千葉県 健康福祉部 疾病対策課 難病審査班
東京都 保健政策部 疾病対策課
神奈川県 健康医療局 保健医療部がん・疾病対策課 がん・肝炎対策グループ 肝炎担当
山梨県 福祉保健部健康増進課 感染症担当
長野県 (新制度未実施。類似制度)長野県ウイルス肝炎医療費給付事業:保健・疾病対策課
新潟県 福祉保健部健康対策課感染症対策係
富山県 厚生部健康課がん対策推進室
石川県 健康福祉部 健康推進課
福井県 健康福祉部健康増進課
岐阜県 健康福祉部保健医療課 感染症対策係
静岡県 健康福祉部医療健康局疾病対策課感染症対策班
愛知
三重県 医療保健部健康づくり課 疾病対策班
滋賀県 健康医療福祉部 薬務感染症対策課
京都府 健康福祉部健康対策課がん対策担当
大阪府 健康医療部保健医療室健康づくり課 生活習慣病・がん対策グループ
兵庫県 健康福祉部健康局疾病対策課 がん・難病対策班
奈良県 福祉医療部疾病対策課感染症係
和歌山県 福祉保健部健康局健康推進課
鳥取県 福祉保健部 健康医療局 健康政策課
島根県 健康福祉部 健康推進課
岡山県 保健福祉部健康推進課感染症対策班
広島県 薬務課 肝炎対策グループ
山口県 健康福祉部 健康増進課
徳島県 保健福祉部健康増進課感染症・疾病対策室
香川県 健康福祉部薬務感染症対策課
愛媛県 保健福祉部健康衛生局健康増進課
高知県 健康政策部 健康対策課 感染症担当
福岡県 保健医療介護部 がん感染症疾病対策課 難病対策係
佐賀県 健康福祉部 健康増進課 がん撲滅特別対策室
長崎県 医療政策課
熊本県 健康福祉部 健康危機管理課
大分県 福祉保健部健康づくり支援課 管理・疾病対策班
宮崎県 健康増進課
鹿児島県
沖縄県 保健医療部 地域保健課

(以上、2019年1月23日更新)

肝がん・重度肝硬変の入院医療費助成が利用できる医療機関(指定医療機関)は、現在、各都道府県で指定が進んでいるところです。現在の指定状況については、下のリンク先から確認することができます:
https://kan-navi.ncgm.go.jp/index-s.html

2017年12月末に政府は平成30年度予算案を確定し、現在、国会で議論されています。その中で、私たちがこの数年間の運動の柱としてきた全国的な「肝硬変・肝がん医療費助成制度」が新設される見通しとなりました。

重症の肝炎患者にたいする医療費助成制度の創設は、患者団体のみなさんが実現にむけて長年とりくんできた課題でした。私たち全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団も、国と「基本合意」をむすび、医療費助成の充実など「恒久対策」について定期協議の場ができていらい、この問題に力をいれてとりくんできました。
昨年7月の厚生労働大臣との定期協議において、塩崎厚労大臣(当時)から実現にむけた言及があり、8月の厚生労働省の概算要求には、肝がんの入院医療費を対象とする制度の創設が盛り込まれました。しかし、その時点では、肝硬変患者は対象となっていませんでした。私たち全国B型肝炎訴訟原告団や日本肝臓病患者団体協議会、薬害肝炎全国原告団等の患者団体は、「肝硬変も助成対象とする制度実現」を目標に、その後も運動を強めてきました。

11月16日には肝炎サポート国民大集会を約1300人の参加で成功させ、200名近い与野党の国会議員の皆様からは「ウイルス性肝硬変・肝がん患者へのあらたな支援を支持する国会議員メッセージ」をいただいて厚労省へ提出しました。今回の予算案は、私たちのこうした願いを受け止めるかたちで、政治・行政の側が概算要求時点での制度枠組みをさらに拡大させたものです。

新しい制度のスタートは今年12月ころとなる予定ですが、患者さんが使えるようになるためには都道府県ごとに制度を開始することが必要です。北海道・長野県など、すでに独自の制度があった県では、その制度を守り拡充することも大切になります。また、助成対象のさらなる拡充などの課題が残されています。よりよい制度実現のため、引き続き全国のB型・C型肝炎患者の力を合わせていきましょう!

全国B型肝炎訴訟東京弁護団副団長 弁護士 小沢年樹

* * *

重度肝硬変・肝がん患者の方に対する新しい制度案のあらまし

厚労省が明らかにしている新しい助成制度案(肝がん研究の推進及び肝がん患者等への支援)の主な内容を紹介します(今年1月時点。国会審議や各県との調整などで変更になる場合があります)。

1)誰が制度の対象者か
制度の対象者は、重篤な肝硬変・肝がんの患者で、一定所得以下(年収約370万円以下)の人。感染原因が国にあるかどうか(B肝・薬害の給付金の対象かどうか)は問われません。患者が助成を受けるためには、肝がん・肝硬変の研究に協力することが必要です(匿名で治療情報を提供)。制度の指定を受けた医療機関から調査(肝がんの研究)の個人票をもらって県に助成を申請します。

2)いつ制度の対象か
1年以内に、入院治療のために高額療養費制度の対象となった月が4か月をこえるとき、4か月目の自己負担額から助成制度の対象になります(下の図を参照)。

重度肝硬変・肝がん医療費助成

3)自己負担が月1万円まで軽減されます
入院治療費の自己負担額が、通常の高額療養費制度の4万4400円(非課税世帯は2万4600円=70歳未満の場合)ではなく、月1万円まで軽減されます。

以上は、あくまでも現在の案のあらましの紹介です。具体化が進んだ段階で、今後も適切なかたちでご紹介していきたいと思います。